この記事の要点
- 基本的にはASDグレーゾーンの人に向けて書かれている
- 失業中の人の再就職の助けになる内容
- ハローワークの職業訓練「ハロートレーニング」について分かる
- 職業訓練受講給付金について分かる
【ハローワークの「職業訓練」】
ASDグレーゾーンの人が失業した時や、しばらく会社員から遠ざかっている時などに就労面で福祉を頼ろうとした場合、まず思い浮かぶのは「就労移行支援事業所」や「就労継続支援事業所(A型・B型)」といったところだと思います。
しかし、手帳を持っていなかったり、障害年金を受給していない場合はこれらの事業所に通うことは現実的には難しいかもしれません。
「グレーゾーンの人には受けられる福祉がないのか」と嘆きたいところですが、実は一般向けの制度を利用することができるかもしれません。
今回の記事では、ASDグレーゾーンの人が見落としがちな一般向け支援制度であるハローワークの「職業訓練」についてまとめました。
もちろんASDグレーゾーンに限らず、ADHDでも他の精神障害でも、誰でも使える制度ですので、無職やアルバイトの方などは、条件が合うかどうか一度調べてみることをお勧めします。
【ハローワークの「職業訓練」とは】
この記事で言っている「職業訓練」とは、ハローワークが提供する公的な職業訓練制度で、ハロートレーニングというものです。
受講料はテキスト代を除いて原則無料です。
民間が運営する訓練校に通って様々なことを学ぶ形になります。
以下に、東京ですがハローワークのサイトのリンクを貼っておきますので参考にしてみて下さい。
職業訓練のご案内 | 東京ハローワーク (mhlw.go.jp)
ハローワークインターネットサービス – 職業訓練検索・一覧 (mhlw.go.jp)
【どんなことが学べるの?】
実際にどんなことを学べる訓練校があるのか、主なところをまとめてみました。
- Web系(基礎・プログラミング・デザイン・ゲームアプリ・ワードプレス等)
- CAD(図面製作)
- 建築関係全般(職人)
- 簿記
- 介護
- フラワーデザイン
- ネイリスト
- エステ、アロマ
等々
最近はWeb系が多いようですが、建築やネイル・エステなどもあり、様々なスキルを学ぶことができます。
注意点
仕事選びで気を付けておきたいことはいくつもありますが、一番は仕事内容以外の部分で苦手な特性をフル活用しなければいけない職場を選ばないようにすることではないでしょうか。
例えば「一人作業っぽいからASDの特性がある自分には向いているかも」という落とし穴です。
その作業をするために実は、社内の人とのコミュニケーションがかなり必要だったということがあり得ます。
筆者は建築業界にいたことがありますが、建築は肉体労働なだけでなく、社内でのコミュニケーションや他社との作業調整などで全体を把握していい感じに振る舞う必要があるなど、ASDグレーゾーンには大変なことも多いです。
職人だからといって、ひたすら一人で作業とはいかずかなり社会性が必要でしょう。
訓練校や訓練内容を選ぶ段階で、この視点を持っておくと良いかと思います。
【給付金(月10万円)を貰いながら通えるかも!】
「職業訓練受講給付金」という制度があり、以下の①~⑦の条件を満たせば、月10万円+交通費が支給されます。
①本人の収入が月8万円以下
②世帯全体の収入が月25万円以下
③世帯全体の金融資産が300万円以下
④現在住んでいるところ以外に土地や建物を所有していない
⑤全ての訓練実施日に出席している
※やむを得ない理由がある場合でも8割以上出席
⑥世帯の中に給付金を受給して訓練を受けている人がいない
⑦過去3年以内に、不正行為により、特定の給付金の支給を受けたことがない
訓練校での訓練期間はだいたい数か月くらいになると思いますが、みっちり通う必要がある場合が多いですので、その間の生活費の心配を減らすためにも条件が当てはまる場合は必ず申請しましょう。
詳しくは下記のサイトで確認してください。
職業支援・給付金などについて知る|ハロトレ特設サイト|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
【参考動画】
参考になる動画をYouTubeで見つけましたので貼っておきます。
【ゆっくり解説】お金をもらって資格取得☆職業訓練で取れる資格26選【資格】
【まとめ】
ハローワークの職業訓練について見てきましたが、いかがでしたでしょうか。
障害者向けの福祉や制度を探していると、ASDグレーゾーンは対象外で門前払いになってしまうことも多く、そういった経験がある方はつらい思いをしてきたことと思います。
しかし、一般向けというか、つまずいたときに誰でも使える制度を探してみることで、利用できる福祉が見つかることもあると思います。
ただ、そういったものにすぐにたどり着けるかどうかはまた別で、「なんで誰も教えてくれないの?」ということは多々あります。
そんなことを減らせるよう、私も精一杯情報発信をしていきたいと思います。
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